暗号化した ID トークンの生成

はじめに


本記事では、暗号化した ID トークンを生成するための設定例を示します。



JWK セットの準備・登録


ID トークンの暗号化に用いる、クライアントの JWK セットを準備・登録します。手順については以下の記事をご参照ください。
本例では以下の JWK セットを登録します。

{
    "keys": [
        {
            "kty": "EC",
            "use": "enc",
            "crv": "P-256",
            "kid": "_agec7UaYVN4c3RZQJQhUuR6nFSnqEXywv3QaIfFRFk",
            "x": "ilLNQ-Lcp_t5DBs9puJVI3JhwqlMndTILjkBrNd3Dsc",
            "y": "3Uy7NIHilkOWviGXMRIl2ZUE4L7Mc8ub4VhosE3l8t8"
        }
    ]
}

ID トークンの暗号化設定


クライアントに対する ID トークンの暗号化アルゴリズムを選択します。詳細については「クライアントの設定項目 - ID トークン」をご参照ください。

ここでは、先に登録した公開鍵に従い、以下の通り設定します。
項目
ID トークンのキー暗号化アルゴリズム
ECDH_ES
ID トークンの本文暗号化アルゴリズム
A128CBC_HS256


ID トークンの暗号化設定


以上の設定により Authlete は、このクライアントに提供する ID トークンについて、暗号化を行うようになります。以下は暗号化された値の例です。

eyJlcGsiOnsia3R5IjoiRUMiLCJjcnYiOiJQLTI1NiIsIngiOiJDeVU3XzdMNlRaeHdmZzhBNkRUNUxMSzN1ZWlBSE1yTzJyYWt5WEY0TUFZIiwieSI6InZ6MkJZd1k1WmJFUkV2OGxTcWNuREpQVkdQMExyWXpUS2NiZUR2aTVKQlUifSwia2lkIjoiX2FnZWM3VWFZVk40YzNSWlFKUWhVdVI2bkZTbnFFWHl3djNRYUlmRlJGayIsImVuYyI6IkExMjhDQkMtSFMyNTYiLCJhbGciOiJFQ0RILUVTIn0..e9rmLbmTkuaUL7AdUB9umw.-o4aia0O6FUarqN3Owssu6ko4v9YqjMJXm00Sj-w7oH7YjmgZDRj7omoXSnmU19wYFhC70yzv8U2B0pXNxLqVZOv4vQchwslP6Ms55cmgvenCHcIbsXFirb8we-6Z0EfKiKmLCy0NU8kFE0fQ-6y9n91WI9hGPVbw968FtA2y7x2JXGv93nPryshCp4HJz2HXQeb5F18RSsCAkY5nE7-GqD81DnmG6-rdVoOBAGM7LK_lc8gIhSozmNn78cFtfQrNn6S0VFWM2e8SyukQtdGk3um3mZAjRdDNtsACkztQJo.5S7YimrpLKuWnRM0hwdJzweyJlcGsiOnsia3R5IjoiRUMiLCJjcnYiOiJQLTI1NiIsIngiOiIzUHNVT0lj


ID トークンの復号


上記の ID トークンを取得したクライアントは、自身の秘密鍵を用いて復号を行います。以下は復号に用いる JWK セットの例です。

{
    "Keys": [
        {
            "kty": "EC",
            "d": "4AEnTq3H8gcIutIoJCCZuv9GgWdKRaoJIXQkdM8r0UA",
            "use": "enc",
            "crv": "P-256",
            "kid": "_agec7UaYVN4c3RZQJQhUuR6nFSnqEXywv3QaIfFRFk",
            "x": "ilLNQ-Lcp_t5DBs9puJVI3JhwqlMndTILjkBrNd3Dsc",
            "y": "3Uy7NIHilkOWviGXMRIl2ZUE4L7Mc8ub4VhosE3l8t8",
	    "typ":"ECDH_ES"
        }
    ]
}

以下は José を用いて復号し、ペイロードを抽出する例です。

jose jwe dec -i <ID token> -k <JWK set> \
|cut -d"." -f2 \
|base64 --decode \
|jq

{
  "sub": "testuser01",
  "aud": [
    "17201083166161"
  ],
  "iss": "https://authlete.com",
  "exp": 1595921860,
  "iat": 1595835460
}
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